外側から見るとつるんとした卵が、
あの硬い殻の内側に
薄くて破れにくい膜を持っているのを
子どものころは気づかなかった。
卵のなかで起きていることは神秘で
いくら透かして見る科学や技術が進歩しても
手出しはできないのだ。
この皮膚で覆ったわたしたちの身体のなかも
破ってみることで終わってしまうようなものは
そのときを待つことしか出来ない。
長いこと、待っていた自分のなかでの答えが、
わたしの膜の内側では、どうやら出ている予感で
それを言葉にするのは難しいけれど、
ずっともやもやとしていた奥で起きている違和感や
イキモノとしての義務感とともに腐れかける精神を
なんとか腐らせないで遅れても分裂し育っているような
・・・気がしている。
まったく、
やれやれ
だ
だ
だ
わたしは
ほんとうに
のろまで、
要領を
得ない
イキモノ
だな
だな
な
な
な・・・
それを正直に言葉に出したり、
態度で示すのは、あまりにもみっともないことだし
勇気がいる
それから得体の知れない、重圧が大きい
この重いものは、このダメなわたしがこれまで
「引きずってきた」 ものに違いない
けれど
正直になるしかない
諦めて
けれど
諦めないで
笑う、食べる、温まる、
を祈るだけだ
膜の内側で
自分、かもしれない、自分が
息吹を送ってくる
これまで【違和感】の泥にまみれていた
まっさらな白のシーツみたいに
濡れて丸まっている
いつか殻を破って飛び立つ鳥みたいに
陽にあたって羽根は輝くのだろうか
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