jeudi, novembre 28, 2013

「猫」のわすれもの。

心底愛した猫がいた。

黒々とした体毛に、黄緑の目。
尻尾は長く先のほうだけ(さわると)ちょこんと折れている。
声は、雄なのに高め。透き通って響き渡る綺麗な発声。
堂々と歩くくせに人見知り激しく、用心深いくせに冒険心旺盛。
人(友人)は、その猫を「人らしい風格だ」と形容していた。

彼を失ってから約4年。
今でもときどき夢に出てくる。

一週間くらいまえに実は夢に出てきた。
何だろう?となんだかよくわからないけれど「合図」のようだった。
猫らしいきりっとした座り方をし、尻尾を躯にフィットさせて
躯ごとこちらにジッと集中して見つめてくる。
ときどき大きく瞬きをしながら。

そこだけで終わっている夢だ。

なんとなく、「なあに?ロイ。あれは何だったの?」と独り言を
猫の気配のない部屋で、気づいたら、、つぶやいていた。



一昨日、用事があったので両親と連絡をとっていた。

すると母から猫の訃報を受けた。
高円寺に棲んでいたときに友人から譲りうけた雉虎の美猫ヤムヤム。
生まれ育った環境は大家族だったため、甘え方を知らない不器用な猫だった。
尻尾は折れ曲がっていたけれど、美しく賢く、世話のかからない子で、
ご飯を美味しそうに「ヤムヤムヤムヤム・・・(4回ひとセット)」を繰り返し、
延々、話しながら食べるという癖があったのでその名前になった。
顔が美しいのに、食いしん坊な名前。

ヤムヤムは一人にしか懐かない。
ロイの子どもでべべという不細工で可愛い猫(グレムリン似)がいたのだが、
彼女と一緒にわたしの実家に住むことになった。
(べべは8年ほど前に亡くなっている)
仲良しだったが、べべが亡くなってからとても寂しそうだった。
人に甘えることもなく、余生は尼さんみたいでわたしもなんど引き取りたいと
心のうちで思ったことか・・・しかし、それでは母が寂しがるので黙っていた。

そのヤムヤムのことを、ロイはとても気に入っていた。
一番理解していたように、わたしには思えた。

そして今になって、ロイがわたしに「合図」を送ってきたことを思い出す。

飼っていたときより、さらに失ってから、その存在の大きさと不思議さを、
このように感じることがある。

魂というのは、目に見えないもの。
もちろんわたしの個人的な「夢」であるのだからそれこそがあやしい。

それでもなぜか・・・
ヤムヤムとロイは、向こうで会えたのかな、という気がしてならない。

あんなに小さな猫という生きものががこの世に残していくもの。
わたしには大きくて重くて、ときどき「うわーっ!!」って、
声を出して泣いてしまうくらいのパワーを持っている、とあらためて感じた。



※あとでヤムヤムの写真はアップしたいと思います。。。


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