jeudi, avril 17, 2008

雨からの手紙


「きみは、
おぼえているだろうか」

晴れの日は、背中のぬくもり
雨の日の、お揃いの長靴

体温と空気中の温度の間に
湿り気のあるもっとも輝いた瞬間を
皮膜を剥ぐように
いま、ゆっくりと確かめているよ

「あした、
晴れるだろうか」

車輪のはがれるアスファルトの音楽
それは雨からのやさしく誠実な調べ

ポストは遠くて
傘をさしても、この封筒は濡れっぱなし

郵便の赤い自転車が
ジリリン、目の前のカドを通り過ぎる

やっと辿り着いた郵便局では
「重量オーバーです」
涙を含んだ重さを、すこしあきれ気味に
たやすく、簡単に
これ見よがしに、計ってみせた

「あしたも、
雨だろうか」

投函したばかりなのに
きみの返事を待っている

雨のせいで、少し長くなった首が痛い



Photo:なにかと話題の中国は北京での風景。
   早朝に、煉炭を運んでいるおじさんたち。
   近くはオリンピックのために舗装や工事が盛んなのに
   とてもちぐはくな風景でした。
   詩には関係ないけど「自転車つながり」のカット。
   ☆画像クリックで見やすくなります。

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