jeudi, septembre 28, 2006

椅子よ、くるくるまわれ


「私は金庫の中で生まれました。息から生まれた水滴が鉄の内側にはりついても、それが透明だとわかったのは、外の世界を知ってからでした。云々。後藤理絵」名言ですね。(おいおい、自分でいうのか♪)

外の世界を知らないと、内側にずっといてはわかりませんよね。でも、内側でもがけば、鉄の分厚い壁であっても叫び続けるというエネルギーさえあれば誰かが気づいてくれるかもしれない。そして、外側からカギを合わせて開いてくれたら、そこから新しい世界が広がるに違いありません。少なくとも、金庫の中でジッとしているだけでは、金庫の中で生まれたような小さな命であれば、息絶えてしまいます。

そんなわけで、私はまたこの一年をふと振り返らねばならない時がやってきたようです。苦しいと思いながらも、苦しみは楽しさに変えて、充満する二酸化炭素の中に、僅かな酸素を求めて、ようやく辿り着きました。
新しい仕事がやってきます。新しい仕事は不安と希望で点滅します。丁度、暗闇から明るい場所に移動する時、目の前がちかちかするように。

思えば、私の椅子はくるくるまわる。いつも席は安定せず、会社の中ではジプシーです。周りから見れば、なんと扱いにくき者。
しかし、憎まれっ子世にはばかるのです。嫌われていたのではないだろう(と思う)けど、最高責任者の近くに位置しておきながら、自分の意思を曲げず、よくもまぁここまで。自分でもあっぱれです。
だから私の椅子はちゃんと彼の方も向くし、送られてくる想いのこもった原稿にもすべて目を通します。そしてときには傍観しながら、自分の原稿も半年かけてまとめ、本にすることもできました(正確には本にしてくれたすばらしいスタッフに恵まれて)。

くるくると、これからもくるくると良く回ることを、錆びない事を祈って、今日の日記とします。
【写真:インドのハンピ村の日没前の風景】

Aucun commentaire: