samedi, août 05, 2006

本から飛びだすタマシイ


ある絵本作家の訃報に同僚たちの胸一杯になる行動。25歳の若き作家がその生涯を閉じたという事実。彼女の残してくれたものの大きさをどうして今まで理解できなかったのかと会社の告知が流れる。大きさに、誰もが最初から気づく事なんて出来ない。絵も文も、作家である彼女が知っている大きさよりも、はるかに大きく育っているに違いないからだ。20冊以上を生みだした彼女のエネルギーは、病床の中から筆先に力を降り注いで送り込まれた「生きた」キャラクターだ。生きている。彼らは生きているのだ。どうして今まで気づかなかったか、ということも、なんだか切ない告知ではあったし、その社員代表の言葉はとても誠実で、一つ一つ読んでかみしめた。
けれど、私は彼女が生かしている今ここに残ったものには魂が吹き込まれているとちょっと引いた位置から感じている。本から抜け出て、子供たちの笑顔を呼び起こすためのハッピーな絵本は、彼女そのものなんだろう。彼女は、全てをわかっていて一生懸命に描いた夢だった、と考える。作者は、そんな本から魂をもって飛びたつ新しい出会いを期待しているに違いない。だから、わたしもがんばらなくては。。そう、心の中で誓う。この、わたしが作った本もきっと、いつかそんなふうに新しい人とであって、その人の中で生きる魂になって欲しい、と祈ってみる。

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